芋の葉の陰に誰かが立っているのが見えた。

青森県平川市の高齢者施設で、工藤義隆さん(95)が声を振り絞った。

 「やらないと、こっちが殺されていた。恐ろしいことだ」

 太平洋戦争末期、フィリピンのジャングルを1人で数カ月さまよい、地獄の苦しみを味わった。「今、自分の体験を若い世代に伝えたい」

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 ジリジリと肌を焼き焦がすような日差しが注いでいた。1945(昭和20)年夏、工藤さんは日本から3千キロ離れたフィリピン・ルソン島にいた。飢えと孤独にさいなまれ、いつも故郷のことを考えていた。「ああ、青森に帰りたい」

 黒石市出身の工藤さんは、41(同16)年、第八師団歩兵部隊に入隊した。中国・旧満州で約3年間、訓練を受けた後、フィリピンへ送り込まれた。米軍との対戦中、隊から独りはぐれ、孤独な彷徨(ほうこう)を続けていた。

 はだしで歩くうちに、足の皮が厚くなって痛みは感じなくなっていた。ヤドカリ、カタツムリ、草、ヘビ…食べられる物は何でも食べた。

 http://www.rokyu.net/user_information1-58106.html http://gamers.mysns.jp/p/hrtwewfある日、芋の葉の陰に誰かが立っているのが見えた。銃を持ったまま息絶えた日本兵だった。体は腐り軍服から白い骨がのぞき、ウジ虫がはっていた。